*-----------------------------------------------------------------* Hyorai_01 *-----------------------------------------------------------------* 方向性がちょっとは定まったかな? ちなみにHyorai_00から連続してます え?性格が本人と違う?まぁそんなもんだ え?前回に比べて非常に短い?まぁそんなもんだ 改めて一言 短いとか言うな *-----------------------------------------------------------------* ///No.01 生きるということ/// そこは決して楽とは言えない世界。 部族の争いで何かと戦ったりする日々。 そんな世界に紅の竜の氷雷は生きていたのだった。 とはいえ氷雷の属する『紅族』は特にそこまで争いを好むわけでもなく。 それに自分たちの住処も領域もしっかりと持っている紅族に属しているのであったから、 結果氷雷はそれなりに満ち足りた生活を送っていると言えるのかもしれなかった。 氷雷は竜にしては珍しく会話が特に好きな竜だった。 更に言えば下界に溢れるミジンコとかとも普通に喋りに行くような。 つまり変わり者。おまけにミジンコの幼女が好きとかいう変態。 そして変態ではないものの変わり者がもう一羽。 彼の現在付き合っている藍夏。 彼女も会話が好きな竜だった。 勿論竜も普通に喋りはするが、それよりも行動を好むというかなんと言うか。 とりあえず今は彼と彼に毒されたのかもしれない彼女は付き合るのであった。 ・・・付き合っているのか振り回されているのかはよく分からないのであるが。 ある日の話である。 氷雷は気がつく。 今氷雷が立っているのは草原。 いつものように話し相手のミジンコを探していて降りただけ。 でもそこには別の竜がいた。 余り仲の良くない族に属するであろう蒼い竜。 ───まずいな 氷雷は逃げることにした。 蒼い竜と言えば何かと闘うことが好きな竜の代表格だから。 そして蒼い竜は追ってこなかった。 そしてまたある日の話。 またも氷雷は気がつく。 今氷雷が浮かんでいるのは空高く高く。 いつものように夜風を切っていい気分になっていただけ。 でもそこには別の竜がいた。 関係は別にどうというものでもない族に属するであろう黄土色の竜。 ───面倒くさいな 氷雷はできれば気づかれないようにと緩やかに高度を落とす。 黄土色の竜はご機嫌そうでしたがやはりトラブルの種は蒔きたくなかったから。 そして背中に重みが、黄土色の竜。 「このマキチャンを無視して通ろうとはいい度胸だお!」 「とりあえず落ちるといいお!」 氷雷は思いっきり叩き落されてしまう。 なんというか理不尽さを嘆きつつ氷雷は急降下もとい落下。 ───なんで俺がこんな目に・・・! ずいぶんと地表すれすれまで落ちたところで氷雷は体勢を立て直し、 あまりの理不尽さに怒る気にもなれなかった。 そしてまたある日の話。 氷雷は気がつく。 今氷雷が立っているのは自分の巣穴の前。 いつものように夜風を切りに飛び立とうとしていただけ。 でもそこには別の竜がいた。 同じ蒼い竜の名前はたしかシェイラとかいったはず。 ───なんだこの出会い 氷雷はとりあえず挨拶をしてみた。 シェイラはなんだか固まっている。 そしてシェイラが行動に移った。 「なんでそんなにトロくさいの!」 「少しは気がつきなさいよ!」 氷雷はいきなり燃やされてしまいまう。 氷雷は何がなんだか分からないうちに真っ黒。 ───なんで俺がこんな目に・・・! とりあえず炎を吐くだけ吐いたらシェイラは行ってしまった。 完璧に炎を吹かれる訳が分からない氷雷だった。 そしてまたある日の話。 氷雷は気がつく。 今氷雷が腰を置いているのは湖の畔。 いつものように空を飛び、疲れたから休んでいただけ。 でもそこにいたのは別の竜。 かなり仲が良いと言える族に属するであろう桜色の竜。 ───とりあえず話しかけてみるかね 氷雷は普通に声を掛けてみることにする。 色が近いだけに特徴も似ている桜色の竜です、大抵は余り争いごとは好まないはず。 氷雷はただ会話がしたかっただけ、氷雷だって争いごとは余り好きではなかったし。 しかし世の中は相変わらず理不尽なものだったりする。 「ちょうどいいところにきたね!僕はアンレス。」 「とりあえず闘っていこうか!」 氷雷はあっさり叩き潰されてしまいまう。ふぐぅの氷雷。 アンレスとやらはどうやら満足したようで飛び去っていく。 ───何で俺がこんな目に・・・! 氷雷はなんだかものすごく悲しい気分になってしまった。 中々起き上がる気力すら出てこないというレベル。 それから時間を置かず、まだ氷雷が突っ伏している時。 上空を飛んでいた別の竜が気がついた。 ───竜が埋まってる そして今氷雷は気がつく。 ───何かが降りてくる だが氷雷は突っ伏した状態から頭を上げる気力も出なかった。 そしてそんな状態の氷雷に声が降ってくる。 「あなたはなぜそこで伏せているの?」 「いろいろあってね・・・もうなんかちょっと嫌になってしまったんだよ・・・。」 声からするに雌の竜。 とりあえず氷雷の頭はその結論を出した。 そしてその声は続き、 「なぜあなたはそれほど傷だらけなの?」 「それもまたいろいろあってね・・・まず喋ってくれる竜がいるなんて嬉しいよ。」 「そう、私は暇だったし・・・私にもいろいろあったから。」 「意外と似たもの同士と、これは運命なのかなうん・・・。」 「・・・いろいろとおめでたい頭を持っているのね。面白い。」 「そんなに俺と喋ってくれる竜というのも久々だね・・・よければ知り合いにでもならない・・・?」 「あら・・・私はもうあなたを知っているのに?」 そんな言葉が降ってきた。氷雷も流石に頭を上げて見てみることに。 そしてそれは先日草原で出会った蒼い竜だった。 氷雷が一目散に逃げていった時に残された竜だった。 氷雷は気がつく、彼女の言う「いろいろ」には自分が含まれていたことに。 そして自分が過去に過ちを犯したことに。 「この間はすまなかった。」 「何のことでしょう。」 これが藍夏と氷雷の出会い。 種族は違えど今の二羽は仲良し。 ただし氷雷は藍夏には頭があがらないという関係であるという落ちは待っている。 生きることは常に出会うということ。 彼らもまた今出会ったのであった。 *-----------------------------------------------------------------* 08/12/28 作成 08/12/29 加筆修正 09/01/04 加筆修正&文章補正&設定修正 *-----------------------------------------------------------------*